宇宙飛行士の日常

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作品

CV

2015年 大阪芸術大学映像学科 卒業。
2020年 宇宙飛行士の日常として作家活動を開始
2021年  グループ展「宇宙飛行士たちの日常」 カフェギャラリーきのね 大阪
受賞歴
2021年  Space Biz主催: 第一回宇宙文化創造コンテスト・最優秀賞

ステートメント・PR

「SPACE=SPACE計画」

スペース(SPACE)という単語には「宇宙・場所・空間」の意味がありますが、
私たちの日常生活ではスペースを”地球上”にある「場所・空間」の意味として多用しています。

しかし、そこにもし宇宙飛行士が浮遊していたら、そのスペースの意味はどうなるのでしょうか?
私たちがイメージする宇宙飛行士の姿は宇宙と紐づけられ、スペースと言えば宇宙以外を連想する人はいません。
故に、あらゆる日常のスペースに重力の存在を忘れた宇宙飛行士がいる、それだけでそのスペースの持つ意味が曖昧になってしまうのです。

そこは本当に宇宙(SPACE)なのか地球の場所(SPACE)なのか。
その境界線は、たった一つの特異なコンテクストによって破壊され、私たちに違和感を与えます。

しかし、「宇宙と地球の境界線が無くなっていく」という意味においては、現実の宇宙開発の到達点と言っても過言ではありません。
今は宇宙飛行士が日常にいる事がシュルレアルな状況だったとしても、未来では宇宙は特別な場所では無くなり、誰もが当たり前のように宇宙服を手にし
日常使いする事も想像できます。
その時、私の作品が持つデペイズマンは消失し、ただの日常写真へと変貌します。

私はコレをSPACE=SPACE計画と名付け、宇宙開発がもたらす未来を称賛するものとして表現しています。
(この写真は合成ではなく、実際に宇宙飛行士を現地で撮影しており、そのスペースにいる実在性をより強調させインスタレーションとしても機能します。)


2020年代は民間の宇宙開発が勃興し。宇宙旅行者として前澤友作さんがISS(国際宇宙ステーション)に滞在したのは
記憶に新しいでしょう。
更に「アルテミス計画」と言うアポロ計画以降、半世紀ぶりに人類の月面着陸を目的としたプロジェクトが既に始まっています。
その成功後は月面に基地を作り、そこを中継として火星にまで人類のフロンティアを広げようとしています。
私たちにとって、宇宙が日常になるという未来は決して絵空事では無いのです。

1960年代前後における宇宙開発(実質アメリカの意味として)は公民権運動や、ベトナム戦争の流れで、美術史においてはあまり歓迎される対象ではありませんでした。
現在も宇宙開発は資本主義的な側面での批判は多くありますが、もはや21世紀の人類がインターネットや工場で作られたスマートフォンに疑問を挟む余地もなければそれを手放す気概もないように、宇宙開発=テクノロジーと結託し、進歩を批判するべきではないと考えています、その結果がどうなるかはただ未来に委ねる他ありません。

実行委員コメント

メタセコイア23展示にご参加、ありがとうございました。写真だけではわからない宇宙飛行士さんのアートを見れて、実際に話すことができて楽しかったです。映画製作から転じてアートの世界へ、宇宙飛行士のコスチュームで自ら街に出て、日常に宇宙を持ち込むというアイデアはストレートに面白く、展示を見た人を楽しませてくれました。パーティ出落ちでごめんなさいでした。あなたがいてフェアがとても楽しくなりました!さらに意外な場所での写真がアップされるのを楽しみにしています。

吉田貴紀 審査員コメント

抜け感が素晴らしい。

花岡・山根シボル 審査員コメント

宇宙飛行士を場面に加えるだけでそこが無重力であるかのように感じる不思議さ、宇宙とは真逆の安全な場所を漂う可笑しさがとてもわかりやすいし、「宇宙(SPACE)= 地球の場所(SPACE)」というダジャレで押し切ろうとするあたりに好感を持ちました。

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