永田 大樹

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作品

CV

○経歴
1997年 京都府・城陽市生まれ。
2020年 近畿大学 文芸学部 文化・歴史学科/卒業
2023年 3月 近畿大学大学院 総合文化研究科 文化・社会学専攻 歴史学コース/卒業
2023年 4月 大阪の会社に勤務。

○活動歴
2022年 8月 大阪府の飲食店内の壁画制作
2022年 11月 《ARTAOTA 2022》/コワケーションスペース 九条湯/京都
2023年 3月 《ARTsmaru art vol.3》/ギャラリースバル/大阪
2023年 6月 《第51回 現代芸術国際AU展》/兵庫県立美術館/兵庫

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〇創作活動のテーマ
 創作活動を通じて「身体と自由」について考えている。

 現代は身体も自由も当たり前のように存在し、そして、時に忘れられるような社会にあるのではないか。

 ここ数年でコロナ禍に直面し、あらゆる分野でリモート化が加速した。部屋の中で殆ど全てが始まり、終わる。SNSが普及して手軽に画面をスワイプすれば“友だち”や“恋人”が見つかる。嫌になれば、直ぐにブロックして関係を断ち切れば良い。人間は「自由」なのだから。

 けれども、胸に残るこの違和感は何か。授業も、仕事も、恋愛も、電源を切ればパソコンの画面と狭い部屋の中にいる私一人だけが残るのはなぜなのだろうか。“友だち”や“恋人”と呼び合ったにもかかわらず、少しでも私の脆さが明らかになれば、次の日から“他人”になるのはなぜなのだろうか。

 あらゆる生活が多様で「自由」になってきた一方、全てに実感が得られないままに生きている不安。

 では、過去の人類はどうだったのだろうか。食事をし、排泄し、運動し、眠るといった単純な逃れられない身体の働き。移動や伝達手段、人間関係も現代と比較すると非常に狭い時空間に限定されている。あらゆる拘束に満ちた、とても「不自由」な時代。

 しかし、その「不自由」の中には複雑で豊かな世界がある。火を囲んで相手の顔が見える安心感。自分の身体で何かを創り出さなければ生きられない必然性の中に、確実な実感が残る。

 それでも、現代に生きる私は過去に逆行して生きることは難しい。身体の役割は部分的な器官へと収束し、多様性の中で選択肢が無限に拡散することを止めることはできない。

 そうした世界の中で、今、創作活動を続ける。答えのない問いかけかもしれない。それでも、問いかけ続けていきたい。


〇自己紹介
 創作活動は、答えのない問いだけれど、作品という確実な何かが生まれます。そこに自分は葛藤と同時に魅力があると感じています。

 数年前に、紆余曲折あって創作活動に励むようになりました。

 幼い頃から運動もダメ、勉強も人並み。好きになるものは多いけれども、飽き性で長続きしませんでした。絵も好きでしたが、「芸術で食うのは難しい」と妙に冷めていたのを覚えています。

 それでも、何か面白そうなことはしたいと感じていました。

 大学では考古学について学びました。紀元前に生きた人々の創り出した素晴らしい遺物たち。発掘調査で出てきた過去の人類の痕跡に興奮しました。大学院にも進学して、研究者になりたいとも思いました。

 しかし、様々な思いが頭を掠めました。こんなに豊かな世界を“論理的な言葉”だけで収めていいのか。研究だけでなく、家庭や人間関係の悩みもある。漠然とした不安に駆られる自分の感情をどうすればいいか。

 そこで幼い頃の様に、夜の部屋の中で一人絵を描き始めました。

 創作活動はまだまだ拙く、完成されることはありません。それでも、あの夜に再び動き始めた時間と出来上がった作品を信じて活動していこうと思っています。

実行委員コメント

切り取られコラージュされた目がこちらを見つめる印象的なアートワーク。自由でエネルギーあふれる絵だなあと思いインスタグラムを見たら神戸でAU展に参加されておられることを知り、なるほど嶋本昭三イズムかーと勝手に納得してしまいました。創作活動はまだまだ拙く、完成されることはありません。とステイトメントにありますが、それでも創作するとこから生まれるアドレナリンの命ずるまま作り続けて欲しいです

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