齊藤あかね

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作品

CV

1999 大阪生まれ
2023 成安造形大学 美術領域現代アートコース卒業

【受賞歴】
2019「滋賀県展」入選
2023「成安造形大学制作展2023」奨励賞

【個展】
2021「記憶が呼吸するとき」 成安造形大学ライトギャラリー 滋賀

【主な展覧会】
2020「無色透明」 同時代ギャラリー京都
2021「salad bowl」 堀川御池ギャラリー 京都
2022「ひとときのひかり」 Gallery Take Two 京都
2022「Anykobe with Arts」 ROSE GADEN 兵庫
2023「成安造形大学制作展」 京都市京セラ美術館 京都
2023「A-Lab Artist Gate’23」A-Lab 兵庫

ステートメント・PR

 息を吸って吐いてを繰り返し、世界と身体が開放的に交換し合う「呼吸」に着目。曖昧で不確かな現代の応答として、過去でも未来でもない今という瞬間をとどめたらと思いを馳せ、制作しています。

「breathing-grandmother」
素材:透明ホース、アクリル板、ジェルメディウム、インクジェットプリント
サイズ:803×1167×15(mm)

その人らしさ、アイデンティティとはなんだろうか?

私の祖母は6年前に物忘れがひどくなり、病院に行くと認知症と診断された。
最初は、食べたことを忘れたり道に迷うことが多かっただけだったが、
やがて家族のことも思い出すことが難しくなっていった。
実生活でもトイレや入浴などできないことが増え、穏やかだった性格も怒りやすくなった。

姿形は祖母であれ、この人は祖母なのだろうか?
人のアイデンティティとは、育った環境と過去の記憶で構築されているという。
その半分(もしくはそれ以上)を失いつつあるこの人は、誰なのだろうか?

その後、すぐに老人ホームに入居して、現在で1年経つ。
一度は祖母の存在に疑問を持ち、否定した。しかし、今も息をして、生きて、存在しているのだ。

記憶の波を漂い、溶けゆく過去の記憶。
今はちっぽけで、ささやかになってしまった息吹に寄り添う。

実行委員コメント

「呼吸」に着目して作品を制作するという斉藤さん、青い画面を覆うような泡のような空気のようなテクスチャの作画が「呼吸」を意味するものだと思うのですが、その作画方法がとても気になります!祖母の痴呆が作画の要因とステイトメントにありますが、この泡のようなモチーフがそれをリアルに表現しているのではないかと思いました。原画を見てみたい、です。

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