水野智弘
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作品



篠崎理一郎
1989年鹿児島生まれ。
鹿児島大学大学院理工学研究科数理情報科学科専攻修了
出展歴
・フロム・ジ・エッジ ―80年代鹿児島生まれの作家たち@鹿児島/ 鹿児島市立美術館(2021)
・Kyushu New Art (キューシューニューアート)@福岡/博多阪急8F (2021)
・篠崎理一郎展「インサイドダイバー」@鹿児島/霧島アートの森(2018)
無印良品 企画展 線で描く「じぶん都市」をつくろう(福岡/OPENMUJI キャナルシティ博多 )(2017)
・UNKNOWN/ASIA (大阪・梅田ハービスホール)(2016)
・Human Museum (東京・渋谷/Tambourin Gallery )(2016)
・イフクカズヒコ&篠崎理一郎展(福岡・天神/岩田屋)(2016)
・Asian Creative Crossing 2016 / Thailand - Japan (タイ・バンコク / THE JAM FACTORY)(2016)
・ASIAN CREATIVE AWARDS EXHIBITION vol.1 /アジアン・クリエイティブ・アワード展(東京/株式会社竹尾 見本帖本店)(2015)
・SICF16(東京・青山/スパイラル)(2015)
受賞歴
・Human museum 2016 在本彌生賞(2016)
・UNKNOWN/ASIA 2016 大阪府府民文化部都市魅力創造局 寺浦薫賞(2016)
・ASIAN CREATIVE AWARDS Vol.1」 入賞(2015)(メディア審査員 adobo magazine選)
・U1 SPACE FILE COMPETITION Vol.4 大寺聡賞(2013)
近年の仕事
・「世界の終わり 賢者たちの遺言」(2022) フレデリック ・ ルノワール(著)/河野彩 (訳)装画 (飛鳥新社)
・トンボ鉛筆 モノグラフライトプロモーションイラスト (2021)
・J-WAVE×六本木ヒルズ 「 TOKYO M.A.P.S SPIN-OFF」ビジュアル (2021)
・河出書房新社出版『文藝』春季号(2020) 倉数茂氏 小説「あがない」挿画
・TK from 凛として時雨 『Acoustique Electrick Session"』ツアーグッズイラスト (2017
幼少期から紙裏やふすまに何かを描くのが好きだったので、食べる、寝る、描く、というライフサイクルが当たり前にあった。それが当たり前でないと高校時代でうっすら気づく。絵を生業にするという考えはその当時無く、学生時代は没頭して好きだった数学を学べる大学へ進学した。数学は一つの答えを導くためにアプローチを重ねるが、
絵は厳密な答えというものが無い。その相反するような事柄と、大学時代特有の自分は何者か、という時期に葛藤が重なって、自分はなぐり書きで、メモ書きのようなドローイングを書き始めた。それを果たして絵と言って良いのか、自分では不安であったが、綺麗な言葉でまとめる自信もない自分にとって、その瞬間の今を形にして記録することは自分にとって何よりの肯定であった。
今に至る過程で様々な実験や変遷もあるが、遠回りは今この瞬間活かされており、昔も今のコロナ禍でも、不安と向き合う「ドローイング」は自身の生活において、より切り離せないものであると感じた。
ここ数年は自分で描いたドローイングを分解し、再構成したものにドローイングを重ねてその都度起こるイレギュラーな組み合わせの反応を今は純粋に見て自分が楽しんでいる節がある。そんな感じです。
篠崎さんの絵は、途方もなく細かい。アメーバのように有機的に広がっていく地図のような絵を目を凝らして見ていくと、幾つもの物語がその中に綴られていて、それぞれが少しずつ関係しあって大きな渦になっていることがわかります。京都セブンギャラリーの個展での新作は、ブルーが効果的に使われていて、篠崎ワールドがまた進化してることを見せてくれました。てんこ盛りすぎて本当にこの絵を1枚仕上げるのに何時間かかってるのだろうと余計な心配もしてしまいます。少しは間引いて整理してみたらまた違ったものも見えてくるかもしれませんよ。
篠崎さんの作品は見ていて、とてもワクワクします。どういう発想で作品を描いているのだろう?細かい、一つ一つのドローイングが集まって大きな何かを形成している。とても不思議な魅力があって、細部まで見入ってしまいます。篠崎さんは数学が好きだったと語っておられます。また、数学は一つの答えを導くため、アプローチを重ねるものだと表現されています。私には篠崎さんの作品がとても数学的に見えます。幾度も重ねた作業が、繋がっていき、最終的に素晴らしい作品として生み出されているからです。