作品



1999. 長野県生まれ
2017. 多摩美術大学テキスタイルデザイン学科 入学
布や糸を用いて表現する方法を学ぶ。
2019 9月~2020 2月. ロンドンへの交換留学
技法に縛られすぎない、自由で実験的なプリントテキスタイルの考え方と方法を学ぶ。
2021. 多摩美術大学卒業
<出典歴>
2020 Premier Vision Paris (パリ)
留学先チェルシーカレッジオブアーツでの団体出展
2021 多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻卒業制作展 「FRUITS」 (青山、東京)
<受賞歴>
2020 多摩美術大学校友会奨学金 奨学生選抜
2021 多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻卒業制作 優秀作品選抜
間接的な情報の盲信は、真の「理解」から遠く偏見の土壌を生む。序論の暴行事件のきっかけをはじめ、いつの時代でも人間は様々な情報を取り込むことができるからこそ、常に「偏見」と隣り合わせにいる。自分でも知らぬ間に偏見が織り込まれて物事が進んでいるかもしれない。では、 どうしたら真の「理解」ができるのだろうか。私は、相手と実際に接点を持ち、文字通り向き合うことが答えだと考える。自らと異なる者や新しいものを受け入れるときには怠惰や恐怖が伴う。相手に耳を傾けるときでさえ、自分の立場や主観が邪魔をすることもある。しかしそこで偏見の溢れる世界へ流されず、一度ただ相手の主張を「聞く」という行為に徹してみることによって、相手の思いや行動のなぜの部分が徐々に見えてくる。それを軸にしたイメージのようなものが、真の「理解物」であると考察した。実際に私は、向き合うことでそれまでの偏った視点からは想像すらできない個人の姿・価値観を深く理解する経験が何度かあった。それらの実体験を元に「偏見」の要素とそれを越えて存在する「理解物」を描き、テキスタイルへ、刺繍へと発展させた。
プリントや染めで表現した線や模様は偏見の世界を表し、刺繍で形作られる部分は「理解物」を表す。両者は1つの布上でどこかで繋がりを持ちつつあるも、刺繍の理解物が、より鮮やかに、時には予測できないような面白い形を持って存在する。多様な素材と鮮やかな色彩を用いて豊かな理解の世界を表現した。
近年はグローバルや多様性という概念が普遍的になりつつある。色々な人が新たな価値観や人・物のあり方に直面し、驚く場面もあることであろう。そんな中でも、私は他者への愛を忘れずに、真っ直ぐで希望的な視野を常に持っていたいと思う。そしてこの世界にも同じことを願う。様々な現実的な社会問題の中にも、邪念のない思考と愛の表れる1面を持っていて欲しいと願う。「理解を楽しむ」ーそんな前向きなメッセージもこの作品に込めた。
<私について>
私を動かす創作的なエネルギーは、よく他者との関わり合いやあたたかい絆の中に生まれます。この作品がその高揚するエネルギーを独自の世界観によって表しているように、私の作品作りはよく自分の内と外の間を行ったり来たりしながら形を作ります。素材を活かしたプリミティブで工作のような制作と作ることへの愛は私の作品の特徴であり、それによって見る人にパワーや何かしらの感情をを与えることが私の目標です。
ご応募ありがとうございます。多摩美からロンドン留学という経験を経ていきついた「テキスタイル」という手法を楽しんで製作しておられる様子がよくわかります。応募の3点は、刺繍という手法で生き物のような人体の一部のような不思議な生命感にあふれる作品だと思います。サイトを拝見すると、刺繍、織物、テキスタイルなど様々な作品が並んでいたので、AIhaはこれだ!という決め手を工夫されたらもっと伝わると思います。 サイトの見せ方、今これですというアピールも必要だと思います。