汪汀

  • その他
  • 写真
  • レコメンド服部滋樹
  • レコメンド花岡 / 山根シボル

作品

CV

1997年中国安徽省生まれ
京都市立芸術大学構想設計修士二年在学
「問道」厦門磐基国際中心(中国厦門 2018)
「京都市立芸術大学第32回留学生展」京都市立芸術大学(京都 2021)
「2021年度京都市立芸術大学作品展」京都市立芸術大学(京都 2021)
「2021年度京都市立芸術大学作品展」奨励賞 受賞

ステートメント・PR

武漢で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった初期、日本は相変わらず静かだった。コロナが都市を麻痺させているのを目撃した中国人として、私がいる場所ではまだ正常に動作している。巨大な非現実感が交錯して、私は途方に暮れていた。無力感による不安をどうにかしようとしたが、何もできなかった。
無駄にグーグルマップを開いて、今まで行ったことのない武漢がどんな都市なのかをネットで見ることしかできなかった。これを機に実際の武漢に近づきたい。ユーザーがアップしているパノラマ写真の中の人物は、データ処理の問題で歪んだり、消えたりしていることを気づいた。気楽で楽しかった旅の記録写真が、ちょっと変な図像に変わった。そのような図像は、偶然にパニックと残酷な現実につながった。彼らは誰か?彼らは今どうしているのか。全然わからない。
覗き見しているように図像を探し求め、写真のように切り取った。これらの図像にどのような感情で直面するかわからないが、どんな感情を持っても適切ではない。2年余り后、上海のコロナは再蔓延して、都市全体が停滞状態に入って、無力感は再び身近に戻った。そのため、私は仮想現実から何かを掴もうとして、プロジェクトを再開した。

審査員コメント(花岡・山根シボルレコメンド)

“反則技”が好きなので、他人の撮った写真という手法で興味を持ちました。毎日パソコンを触っている身としては画面のキャプチャでも生活感を感じることができました。

審査員コメント(服部滋樹レコメンド)

作品作りのコンセプトやシステムについて議論してみたい。そんな機会に又!

実行委員コメント

■ 折からのコロナ禍において、日本に住んでおられる汪汀さんが、自らの母国である中国の、コロナ発生の地である武漢に関心を持たれたのが今作のシリーズの着想。Google Mapで検索し、ストリートビューをキャプチャし続けたシリーズは、コロナ禍で海外旅行もおろか、外出もままならない我々を彼の地に運ぶすべでもあり、データ処理の問題で人物が消えたり歪んだりしている様も面白く、下部にある場所を示すデータも含めて立派なアートとして成立していると思います。株式会社人間、花岡/山根シボル、graf 服部滋樹のダブルリコメンとアーティストおめでとうございます。トーマスルフを引き合いに出す前でもなく、ファウンドフォトはすでに写真作家のメインストリームであると断言できます。

■ 会場でも多くの方が興味深く1枚ずつ丁寧に鑑賞していたのが印象的でした。隣の壁に展示したサワダモコさんの油絵も偶然にもストリートビューのグリッチを素材にしたもので、写真・絵画と表現媒体は違えど「呼応しているよう」な展示で、なかなかエキサイティングでした。汪汀さんの作品は、今はもう当局の規制で見ることができない当時の様子かもしれず、貴重なアーカイブとも言えるでしょう。素晴らしい展示でした。ありがとうございます。

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