鍛冶周作 賞
井浦歳和
家入一真
作品



1990年生まれ 大阪府出身・在住。
2009年 大学在学中に作家活動を開始。
現在は国内外の展示やアートフェアに多数出展。
「つくられたもの」をテーマに、画像ファイルや3Dオブジェクトの「グリッチ」を取り入れたキャラクターを油絵で描く。
被造物と空間との関係性を探るため、近年はキャラクター絵画だけでなく、地図アプリ上の風景画も制作。
■個展
2022
「逃避と報酬」(Art Gallery Shirokane 6c / 東京)
2021
「coexistence with collapse」(LIGHTHOUSE GALLERY / 東京)
2020
「LEFTOVERS」(みうらじろうギャラリーbis / 東京)
「仮想楽園計画」(SUNABA Gallery / 大阪)
2018
「🔴🔵REC.」(サロンモザイク / 大阪)
2017
「Breaking FIREWALL」(アートコンプレックスセンター / 東京)
2016
「FIREWALL TO PROTECT ME」(SUNABA Gallery / 大阪)
2014
「Re: Install」(新宿眼科画廊 / 東京)
■グループ展
2022
「BEYOND」(333 Gallery Taipei / 台湾)
「SHOWCASE:comic & ART 2022」(アトリエ三月 / 大阪)
2021
「裏kawaii」(SUNABA Gallery / 大阪)
2019
「風景の発見」(SUNABA Gallery / 大阪)
2018
「純粋キャラクター批判」(SUNABA Gallery / 大阪)
2016
「199x⁵」(アートコンプレックスセンター / 東京)
「PARIS CHIC ROOM」(MASON D'ART Paris / フランス)
2014
「トランスエフュージョン03」(新宿眼科画廊 / 東京)
2013
「ミラクルミーム」(新宿眼科画廊 / 東京)
「トランスエフュージョン02」(新宿眼科画廊 / 東京)
2010
「オイルショック!(0000Fest内)」(Hidari Zingaro / 東京)
「wassyoi#」(0000Gallery / 京都)
■アートフェア
2021
広州アートフェア(Contemporary Tokyoより出展)
アート台中(333Galleryより出展)
2017
ART OSAKA 2017(創治朗より出展)
まず、私の作品はシリーズがいくつかあり、1枚目と2枚目は、現在メインで制作している「3Dグリッチ」のシリーズ、3枚目は「ストリートビューの歪んだ風景」のシリーズです。
一貫したコンセプトの上で、シリーズ同士はそれぞれ繋がっています。
SNSや海外ウケは3Dグリッチの方がいいのですが、風景画は今のところ展示の予定がないので、どちらがいいか審査員の皆様に選んでいただきたいです。
1枚目
「こうさ」910×1167mm, acrylic and oil on canvas, 2022
2枚目
「かくだい」727×910mm, oil on canvas, 2022
「ポリゴン(3D)グリッチ」を模したトゲトゲのキャラクター。ゲームのバグ動画をきっかけに生まれた作品シリーズである。
VR技術の進歩にも伴い、画面の中の空間で質量を伴った3Dのキャラクターは、我々にリアリティを持たせ、漫画や2Dのアニメの平面上の世界と比較して、現実の存在に近くなったと感じさせる。
しかし、キャラクターはあくまでもプログラムされたデータでしかない。誰かが作り、壊し、消すことができる存在。その事実を突きつけるかのように、鋭利に尖った髪や腕、変形して歪んだ服や顔。作品に描かれるキャラクターは「壊れて」存在している。
上記は特にVtuberを意識した作品であり、1枚目の作品に関しては、作品完成後にモデルにしたVtuberが不祥事で解雇されてしまい、テーマどおりの展開になってしまってゾッとした。
3枚目
「昔は川だったらしい」 333×210mm, oil on cotton, 2019
人にも、この街にも、終わりは必ず訪れるが、それを各々が自覚することなく目の前のことに夢中だ。
地図アプリの読み込み途中・画面遷移中に発生する歪んだ風景画像を引用することで、映っている建物・道路・それらを内包する空間が「作られたもの」であり「いつか壊れるもの」であることを暗示する。
また、コロナ禍で旅行がしづらくなったことや休業する店舗が増えたこと、戦争で街並みが破壊されていく現状と比較して、画面上に現れる街並みは「かつてあった理想の姿」を表していると言える。
デジタルでバーチャルな世界観を維持しつつ、今まで制作してきたキャラクターを描いたシリーズとは一線を画した作品である。
とても好みな作品です。3Dグリッチ、ストリートビュー、どちらも表現として面白く、これからの展開に期待しています。
デジタルの世界を題材にした作品はソリッドに描くことに配慮する作家が多い中、サワダさんの作品はペインティングとしての温かみも感じるような気がして好みだった。
キャラクターのグリッチ作品の方が業界での需要が高く、地図アプリの作品のお披露目ができて嬉しいとご本人も語っていたこともあり、今回のJIKAN<space>でのプレゼンテーションも素晴らしかったです。京町堀の作品を作ってきてくださった心意気も粋です。Twitterではサワダさんの作品が紹介された投稿がバズりましたね!メタセコイア実行委員会としても大変嬉しい出来事でした!
デジタル グリッチを絵画にするのいいですねぇ!以前から興味があったんで、こうして描かれている方の作品に出会えてすごくうれしいです。 サワダさんのインスタにあった歪んだ地図アプリの風景画もすごくよかったです。そういった作品、もっとたくさん観てみたいです。