作品



1999年 福岡県生まれ
大分県立芸術文化短期大学美術科美術専攻卒
2019年
第57回美術科卒業修了制作展 作品買い上げ
門司港美術工芸研究所 入所 ( 現在、退所 )
個展 Platonic Suicide ( 門司港美術工芸研究所 )
2020年
特別展示 ( 門司港駅2F )
2021年
門司港美術工芸研究所展 ( ギャラリー風, 天神, 福岡 )
ROMANTICA shape of my art ( M.A.D.S Art Gallery, Milan, Italy )
個展 蜃気楼 ( white space one, 赤坂, 福岡 )
JUICY prod. Bento Club ( 旧八女郡役所 )
Roots ( 旧大阪商船 )
門司港美術工芸研究所 大分展 ( 竹田歴史文化館 )
個展 Hanabi ( the blank gallery, 渋谷, 東京 )
オルタナティブをテーマに表現しています。
オルタナティブは単純に代替という意味で捉えて、自分自身の代替、社会に対する代替を意識します。
自分自身の代替とは、日常の中でふと感じる静かな衝撃、それは社会的に抑えるべきバグのようなものだったり、ネガの深い感傷だったりするもので、表に出すべきではないそれを、キャンバス上では描くことができるという意味で、また、僕が描く" その人 "が、僕自身の詩的な具象であるため、そのように考えます。
もうひとつの、社会に対する代替は、現代の消費社会へのアンチテーゼという意味です。その構造自体を否定するのではなく、それを真実のように捉えて都合よく消費するジャンクな変容に、価値の退屈さを感じます。ただそれもまた現代の真実であることに違いないので、否定ではなく、代替なのです。
つもり、モチーフの" その人 "は、精神そのものであり、顔が不明瞭なのはアンチテーゼの表れからで、現代社会のシンボル的な顔を潰しています。
その人は、路上のアスファルトに顔をうずめるし、空に漂っていたり、よく踊っていたりして、いま僕の目の前にある、マックのコーラの容器に飛び込んでいます。
そこには様々な側面をもった考えがありますが、いつもあるのは感傷と破壊であり、静かな衝撃です。
この感覚は、芥川龍之介からの影響です。影響を受けた人は、ジョージコンドやフランシスベーコンなど多くいますが、実際に精神の根幹を形成したのは、彼が大きく関わっていると感じます。特に、芥川の晩年の作品で、『 蜃気楼 』はまさしくその衝撃でした。
オルタナティブを「代替」と翻訳し、作品を制作する塚本さん。不自然にひねられたオブジェのような人体の表現は、本人も語られているようにフランシス・ベーコンに通じるものを感じます。ベーコンととともに芥川龍之介について言及されておられることから、人間の内面を静かに見つめる塚本さんのアートに対する姿勢を感じます。このテーマで描き続けることで、塚本さんにしか描けない世界に辿り着けるますよう期待しています。