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作品



1988年 東京生まれ
2011年 多摩美術大学 絵画学科油画専攻 卒業
2013年 多摩美術大学大学院 美術研究科修士課程 絵画専攻 修了
賞歴
2011年 第16回福沢一郎賞受賞
2014年 ワンダーシード2014入選
2021年 第5回アワガミ国際ミニプリント展入選
第6回星乃珈琲店絵画コンテスト優秀賞(岡村桂三郎氏推薦)受賞
個展
2021年 「何を見ても何かを思いだす」(OgalleryUP・S・東京)
2022年 「思い出はどこへ」(一日・東京)
グループ展
2013年 「第16回チャリティ展覧会 多摩美術大学校友会小品展」
(文房堂ギャラリー・東京)
2014年 「トーキョーワンダーシード」(トーキョーワンダーサイト・東京)
「グループ展」(RISE GALLERY・東京)
2015年 「つくるひと×つかうひと×みるひと展」(ギャラリー子の星・東京)
2017年 「第20回チャリティ展覧会 多摩美術大学校友会小品展」
(光村グラフィック・ギャラリー・東京)
2021年 「アワガミ国際ミニプリント展2021」(阿波和紙伝統産業会館・徳島)
2022年 「旅する絵画 第6回星乃珈琲店絵画コンテスト受賞作品展」(星乃珈琲店・宮崎、熊本)
「第23回スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル」(スパイラル・東京)予定
その他活動
2009年 ライブペインティング(渋谷WOMBLOUNGE・東京)
2013年 雑貨販売(RISE GALLERY Design store・東京)
2021年 個展情報掲載(朝日新聞夕刊アート情報欄 2021年11月30日号付)
作品掲載(月刊美術2021年12月第6回星乃珈琲店絵画コンテスト受賞者決定)
2022年 個展情報掲載(東京新聞朝刊アート情報欄 2022年3月2日付)
個展情報掲載(毎日新聞朝刊アート情報欄 2022年3月4日付)
コレクション
星乃珈琲店
【コンセプト】
「死んだら昔のこととかその時の気持ちとか、どこ行っちゃうんだろうね」。
世界というのはただひとつ固有の世界があるわけではなく、それぞれの人間の見たものがその人間にとっての世界を作っていて、
人が亡くなればその人の思い出も丸ごと消滅してしまう。それが恐ろしくて悲しくて、だから私は絵を描いている。
モチーフは、
元捨て猫だったうちの猫。奇跡のように毎日を楽しくしてくれる。
夫が買ってきたトムとジェリーのガチャガチャのおもちゃ。おもちゃはかわいいけどむかつく思い出がある。
夫が小さかった頃に遊んだ怪獣の人形。私の知らない彼の子供時代を思う。
バイト先で知り合ったおばさんにもらったくまの手作り人形。おばさんの名前は忘れたしもう二度と会うことはない。
自然と会わなくなっていった友達と昔行ったベトナム旅行のお土産。もう旅行自体の思い出も薄れている。
取るに足らない物たちが私の生活の中に点在している。それらはやがて私から忘れられ、思い出され、また忘れられ、最後は私が旅立つ。
その後でも私のいなくなった世界に、私の思い出が残っていてほしいと願う。そのために絵を描いている。
鑑賞者には、人の思い出とは何なのか?思い出を自発的に忘れたり、自発的に思い出したりすることは可能か?
自分が亡くなった後に残る何かはあるのか?残したいものはあるか?を考えてもらえたら嬉しい。
【技法、モチーフ、サイズ】
雁皮紙(がんぴし)という薄い和紙に油彩で描いてからパネルに貼る。
モチーフは私にとって思い出深い静物と生き物。モノクロの具象画。モチーフすべてに思い出があり語ることが出来る。
サイズは20号以内でパネル作品。
【余白について】
絵の具の滲みと余白を持たせた構図が特徴。余白を持たせるのは理由がある。
何かを思い出す時って必ず「思い出さないもの」込みで思い出しているから、思い出さないもののスペースをちゃんと入れないと嘘になる。
余白はその思い出さないもののための場所。
物を見る時も同じ。何か一つの物にピントを合わせて見るということは、同時にピントから外れた「見ないもの」込みで見ている。
私は制作時に実物のモチーフを目の前に置いて見ながら描いているから、「見ないもの」「思い出さないもの」も描かないとモチーフを描いたことにならない。
だから余白を持たせる必要がある。
白い空間に、ぽつんと放たれた動物や、ぬいぐるみ、ちいさなおもちゃ。一つ一つは取るに足らないものだけれど、持ち主にとっては忘れ難い思い出のかけら。それらを丁寧に掬い取り、丁寧に描かれた3枚の作品は、ステートメントと共にみると詩情にあふれ、心にチクッとささる思いを残します。「余白はその思い出さないもののための場所」という解釈もとても腑に落ちます。