Emiri Hayakawa

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作品

CV

1996年生まれ
2016年 高知県飾りパンコンテスト製パン協同組合賞
2018年 高知県女流美術展 洋画の部入選
2019年 vivivit新人賞
2021年 高知県女流美術展 グラフィックデザイン部門入選
2022年 京都芸術大学卒業 卒業制作展奨励賞 受賞

活動履歴
2018年 ヤノベケンジの作品製作に1年間携わる[ship's cat /サン・チャイルド]
2019年 nifrel mekesでの展示「new nifrel」
2021年 Art Collaboration Kyortoにてstanding pineのギャラリースタッフ
2022年 vira九条山×京都芸術センターの展示「shyncronicity」デザインアシスタント

在学中は複数のデザイン事務所、広告代理店でインターンシップを経験し
現在は商業デザイン、文化芸術に関わるデザインの両方の分野で活動をするため
フリーランスのデザイナーとして活動中。肩書きは「なんでも作れるデザイナ〜」

ステートメント・PR

〈Parallel View/むこう側から見た世界〉
1|empty この空っぽな世界で何を感じる?
2|mirrage 鏡の中のあなたは私に似た誰か
3|boundary ズレた境界線
material:mixed media

ーステートメントー
目の前で起こる出来事、感じられること
それが現実か虚像かは問題ではない。
なぜなら現実は不確かでコインの表と裏のように簡単にひっくり返ってしまうからだ。
人の数だけ認識の違いがあり、異なる角度の世界で生きている。
ただそれがどうなっているのか確かめようとすること、それだけは確かではないか。
向こう側から見た世界はどこかおかしい?
アンビバレンスな世界へようこそ

”If I had a world of my own, everything would be nonsense.
And contraywise,what it is,it wouldn't be,and what it wouldn't be, it would.
You see?”
ルイス・キャロル〈不思議の国のアリス〉より引用
ー解説ー
私は、幼い頃から離人感や不思議の国のアリス症候群と言われる感覚を持っている。現実と夢(正確には夢ではないが)の狭間を生きる私が見る世界を提示することであちら側とこちらを行ったり来たりする感覚を味わってもらいたい。メインの表現媒体は写真とする。それは写真のような絵を描くと気味悪がられたものだが、絵画のような写真ならどうなのか?一見軽やかな世界を表現しつつも並行してどこかがおかしい、現実では起こり得ない空間を収めることができたら違和感として焼き付くのではないかと考える。油断した鑑賞者の現実フレームを歪ませることが狙いだ。

ー制作にあたってー
今の社会は「普通」でいることが求められすぎている。私も当たり前に完璧を求められ、その期待に応えてきた。しかしそんな自分の生き方にずっと息苦しさを感じる。

「気にしすぎ、繊細すぎる」
物心がついた時からそう言われてきた。些細な音や光に敏感で、調和の取れていない色彩空間の中にいると鳥肌立つ。周りの空気が自分の中に流れ込み、感情が同期する。夢の中でも現実を反芻し、ピンチアウトする景色がどこまでも350dpiなのも…。私のセンサーは常に振り切れていて、それは時にストレスとなり私を混乱させる。高精細な情報で容量がいっぱいになってしまった時、途端にすべてがひっくり返る。景色は立体感を失い、輪郭は歪み他者との境界が危うくなる。全ては作り物のように感じられ、何も感じない。意識は離れ、残された身体はただのゴム人形のようで。鏡に映るのは自分に似た誰か。私をこの世界に繋ぎ止めておくものは昨日までの記憶だけなのに、それすら夢か現実か疑ってしまう。感覚から解放される安堵と、世界から隔絶される不安。

これらが固有の感覚であると気づいた時、私はその正体を知るために世界の観察を始める。常に”ここではないどこか”に居場所を求め、「普通」ではない自分に絶望したのが制作に至る動機だ。少し歪な形でも、誰もがありのままの自分を他者との違いを受け入れることができたら。他者を完全に理解することはできないが、それを理解することがコミュニケーションを図るきっかけになるのではないだろうか。

実行委員コメント

事前のポートフォリオレビューでは言いたいことが多すぎて、人に伝えるにはtoo machな印象だったのが、応募時にはきれいにまとまり、伝わりやすくなった印象です。 不思議の国のアリス症候群や繊細すぎる感覚(HSP)などはまだまだ少数の感覚で多くの人に知られていないものだと思います。そういった視点を作品にすることは「自分とは違う他者」を少しでも知るきっかけになるので素晴らしいです。

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