栗原里菜
作品



1993 三重県生まれ
2017 多摩美術大学大学院美術研究科工芸専攻 修了
〈個展〉
2019「“Still Eating” MORIKAWA YUUYA EXHIBITION 」plat.inc(東京)
「森川裕也個展 “Nonsense” 」いりや画廊(東京)
「森川裕也植木鉢展」Forest round round(香港)
2018「TRANSHIP × PLANETX 5nd Season 森川裕也」TRANSHIP(東京)
「morikawa yuuya pottery exhibition」伊勢丹相模原展(神奈川)
2016「景を眺める 森川裕也個展」いりや画廊(東京)
2014「しるしをつける 森川裕也展」GALLERY ishi(東京)
<グループ展>
2022「いりや画廊企画 壁11㎡の彫刻展#06」いりや画廊(東京)
2021「POG Autumn Pop up at M+」The other shop in m+ museum(香港)
「PLANETX Pop-up exhibition POG Big Cave」Plants Of Got(香港)
「トッテのある形 part 3」gallery VOICE(岐阜)
2019「Evolve the living sculpture」milieu space(インドネシア )
「PLANETX Exhibition “灯火” 」faro神楽坂(東京)
「多摩美術大学助手展 交差する視点」Fei Art Musium(神奈川)
2017「バリュープライス いりや画廊若手支援プロジェクトvo.7」いりや画廊(東京)
「夏色-ナツイロ-」SQUARE gallery 湘南t-site(神奈川)
2016「アジア現代陶芸展2016」臺北當代工藝設計分館(NTCRI)、台灣工藝設計館(台湾)
2015「アートフォーラム三重-UPDATE-」三重県総合文化センター(三重)
「-火仕事-多摩美術大学工芸学科卒業制作展」SPIRAL GARDEN(東京)
2014「震災と表現 BOXART~共有するためのメタファー~展」リアス・アーク美術館(宮城)
<公募展>
2019「第3回瀬戸・藤四郎トリエンナーレ」入選/瀬戸市美術館(愛知)
<コレクション>
リアス・アーク美術館(寄贈)
わたしは今まで従来の伝統的な陶芸とは違った視点で作品を制作してきました。
過去作『Clay Archives』シリーズでは、焼成された粘土が何万年も変化しない焼き物へと変化する性質に、物を形として残す記録や保存といった機能があると思ったことがきっかけになっています。
2019〜2021年の間に粘土の塊や陶土で模刻した食べ物などに文字を彫る作品郡を制作しました。
焼き物の「焼く」というプロセスに別の役割を見出すことで、半永久的に変化しない焼き物を「物質的な写真」として機能させる試みを展開しました。
ここ数年は絵画のように画面上の中での自由な表現を、焼き物でもできないかと考えてきました。
焼き物に限らず、立体作品は自立するための強度や重力といった制約を強く受けます。ですので宙に浮いたり、周りの風景に同化していくような表現は素材の特性上、難しく感じていました。
絵画は画面内であればどんな「虚構/イリュージョン」をも可能にします。直接肌に触れてくるような物質感を保つこともできれば、騙し絵のような視覚効果を生むこともできます。
近作の『Composition』シリーズでは元となるモチーフを切断したり、まだらな色彩や模様を施すことによって、作品を見る角度が変わるたびにモチーフが違うものに切り替わっていくことをテーマにしています。
ピントがぶれた写真に写った物を別の物に見間違えてしまうように、物や色が重なることで別のものに見間違えてしまうような、視点によって生まれる実像と輪郭との「間/あわい」を表現します。
■ 特に1枚目のファストフードという「チープ」なものを陶芸で構築した作品が好きです。陶芸という伝統的なものの中に新しさや軽やかさも感じることができ、森川さんの作品は「手に入れたい」というコレクション心もくすぐる魅力があるな、と感じました。
■ メタセコイアの前に開催されたアートイベント ARTGOESONでは10体近くのまとまったシリーズを展開し会期中もたくさんの来場者が写真を撮ったりSNSに投稿していました。アートキュレーターも関心を持って見ていました。ステートメントにある「あわい」と共に、展示では「一体これは何なのだろう?」といった鑑賞の没入感があり、とても人を惹きつける世界観を発揮されています。ユーモアとストリート感が同居した新しい時代の陶芸だと感じました。これからも楽しみにしています。
これまであまり関心がなかったこともあり、陶芸・陶器と言えば「信じられないくらい高価な器」「お金持ちの家の玄関に飾ってあるもの」といった貧困なイメージしか持っておらず、手に入れたいと思ったことなどありませんでした。ですが、こちらの作品は見た瞬間「いいな、欲しいな」と思いました。それはもう単純に、直感的に。特に2枚目の作品は、訳がわかりません。グローブ?に、熊?に、バナナ?が不思議な色とバランスで組み合わさり自立しています。作者に意味を聞いてみたい。いやでも、聞かないまま、訳わかんないままであって欲しい。そんな相反する気持ちが生まれる、魅力的な作品だと思いました。オンラインだけでなく、ぜひ実物を見たいです。いろんな角度から眺めて、質感を感じて、「一体なんなんだこれ……」と途方に暮れたい。