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作品



2019年 京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術環境専攻修士課程 修了
近年の主な活動
2021年 ART LIVE KOBE 2021 ANAクラウンプラザホテル神戸/兵庫
2021年 TAGBOAT AWARD SELECTS 阪急MEN’S TOKYO タグボート/東京
2021年 IAG AWARDS 2021 東京芸術劇場 Gallery1/東京
2021年 第16回TAGBOAT AWARD 渋谷ヒカリエ 8/CUBE 1,2,3/東京
2019年 Shanghai Art Fair 2019 上海跨国采購会展中心/上海
2019年 第2回枕崎国際芸術賞展 枕崎市文化資料センター南溟館/鹿児島
2019年 日本の絵画2018 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル/神奈川
2017年 アートオリンピア2017 としまセンタースクエア/東京
2017年 日本の絵画2016 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル/神奈川
2016年 Young Creators Award 2016 MI Gallery/大阪
2016年 個展 芦屋画廊Kyoto/京都
2016年 第1回枕崎国際芸術賞展 枕崎市文化資料センター南溟館/鹿児島
2015年 ART OSAKA 2015 HOTEL GRANVIA OSAKA/大阪
2015年 SELECT FAIR NYC CENTER 548//CHELSEA/New York City, USA
受賞歴等
2021年 第16回TAGBOAT AWARD 審査員特別賞(家入一真賞・塩入敏治賞)
2018年 日本の絵画2018 佳作賞
2017年 アートオリンピア2017 入賞
2016年 Young Creators Award 2016 優秀賞
2016年 第31回ホルベイン・スカラシップ奨学生
2015年 千住博 ザ・スーパー・アートスクール 研究生
日々、あらゆる人々(や人以外のものたち)による様々な行為や行動が、世界中で同時に、膨大に、私たちの把握を遥かに超えて起こっています。しかし、それらの行為や行動のほとんどは日常の些細な営みであり、ひとつひとつの行為の詳細はどこにも明確に記録されることはなく、いつのまにか、それが本当に実際に行われたことであったのかすら、曖昧になっていってしまいます。
現在、私たちは刻一刻と変化する社会状況の中で日々を生きています。しかし「パンデミック」や「コロナ禍」といった一括りに表現された言葉からは、私たち一人ひとりが実際にどのような日々の暮らしを営んでいるのかはなかなか見えてきません。どのような状況下においても私たちは毎日を生活しているし、そのために日々いろいろな行為や行動を行っています。そしてそれらの行為の大半はとても些細な動作です。
いつかの誰かの、どこかの何かの、誰に顧みられることもない、ただただ何気ない日々の営みは遥か太古から連綿と続いていて、顧みられないものは顧みられないままに忘却されて、あまりに膨大な、曖昧で不確かな行為の集積の上に私たちは今生きています。
日々何気なく使われている生活用品や、踏みつぶされた路傍のごみや、訳あってか不法投棄された廃棄物や、はるばる海を渡ってきた漂着物や、様々なもののそのすべてのそれぞれに、現在の状態に至るまでの誰かの行為の積み重なりがあり、いつか誰かが何かを行った痕跡を残しています。
「行為の気配」シリーズの制作は、今般のコロナ禍が始まって以降に継続して実施してきたリサーチ活動によって収集してきた物品を素材としています。リサーチ活動では、現在のコロナ禍を生きる人々がどのように暮らしを営んでいるのか、人々の活動や行動を取材し、そこに残された行為の痕跡を採集しています。リサーチ活動によって収集した物品から、他者の行為によってできた形状を写し取り、立体作品として再現します。他者の行為の痕跡が残された物品からその形状だけを抽出することで、それらの行為に宿る気配を探り出そうと試みています。また、写し取られた形状を元の場所に戻し、再び世界の中に含まれたいつかの誰かの行為の気配を記録します。
手の込んだ工程を経て完成されるインスタレーション作品ですね。人々が日常何気なく行なっている行為。無造作にポイ捨てされて、空き缶やペットボトルを現場で収集し、透明なシリコーン樹脂で型をとり、透明なオブジェとなったものを再び元の場所に戻して撮影することで、その行為についての気配を探り出すという。道端や公園のベンチにさまざまな工程を経て帰ってきた透明なオブジェは、それだけでもう美しいと感じてしまうのですが。いかがでしょうか。