興津眞紀子

  • 絵画
  • レコメンド笹貫淳子

ウェブサイト

https://www.makikookitsu.com

作品

CV

大阪府生まれ

1982   京都教育大学教育学部特修美術科卒業

個展
2003   トリックス美術館(三重)
2006   ギャラリー椿(東京)
2007   三重画廊(三重)
2010   ギャラリー慧(三重)
2015   清須市はるひ美術館(愛知)
2016   スペースプリズム(愛知)
2017   くずはアートギャラリー(大阪)
2021   同時代ギャラリー(京都)

グループ展
1981~2003 新制作展
2000~2012 アートフォーラム三重 

受賞他
1989  上野の森美術館絵画大賞展 佳作
1998  熊谷守一大賞展 優秀賞
2011  北の大地ビエンナーレ 佳作
2012  清須市第7回はるひ絵画トリエンナーレ 佳作
2015  清須市第8回はるひ絵画トリエンナーレ 大賞
2017  アートオリンピア入選

コレクション
上野の森美術館  熊谷守一美術館  清須市はるひ美術館

ステートメント・PR

私は光や水、植物、想像上の光景などの絵を描いています。

キャンバスに向かうとき、私の目には人類が誕生したころから受け継がれてきた静かな風景が見えています。
そこにある光や水、植物などを取り巻く空気の存在を感じられるように、奥へと続く空間を意識して作品にしてきました。

制作するにあたっては、筆やペンで自由に描く線や面、色むらや筆あと、落とした絵具など偶然できたものを残したいと思っています。人の手を通して作られた予測や計算ができない色や形の中に、想像の余地と無限の可能性があると感じるからです。
また、イメージしていることを効果的に伝えるために、エアブラシや、スクリーンプリント、ディテールに変化をつけるメディウムなども使っています。
最近では、絵筆では描ききれない部分を補うために、写真を原稿とした光に反応する印画法(サイアノタイププリント)に興味を持ち、プリントしたものに絵の具で手を加えた作品も作るようになりました。

私は学生の頃から、ガラスに映る物を絵の中で再現しようとして制作してきました。
しかし透明なものへの思いは、長い年月を経て少しずつ変化し、徐々にガラスから水や光、空気などに広がっていきました。
それらはどれも本来とても美しく、人が生きていくうえで無くてはならないものです。
今の私がそういった物に心を動かされるのは、年齢を重ねるにつれ守りたい大切なものが増え、生きることについて以前より深く考えるようになった事と関係があると思います。

今、地球上で私たちを取り巻く環境は汚染され、自然はどんどん破壊されています。
私自身、目に見えない放射能や化学物質、気候の変動などに対する恐怖を感じ、子どもの頃あった様々なものが急速に失われていくことに心を痛めています。
しかしその一方で、私たちは日々の生活において、多くのエネルギーや物を消費せずには生きていくことができません。
私の中に、そのような矛盾に対する焦りや不安があるからこそ、より一層、命を守るために必要な澄んだ光や水、空気に憧れ、強く心惹かれるのだと思います。

私が求め続けている制作の基本は、失われていく目に見えない大切なものに目を向け、小さな美しさを見逃さず、絵画という形で視覚化することです。

審査員コメント(笹貫淳子レコメンド)

ポートフォリオレビューでの出会いはとても刺激的でした。要素を削ぎ落として抽象化し、白を追求していくその過程は心象風景のようでもあります。とてもキレッキレの作品でずっと観ていたい、原画を拝見したい気持ちでいっぱいです。

実行委員コメント

ポートフォリオレビューで作品集を拝見した時の衝撃が忘れられません。一瞬デジタルかな?と見紛うほどの透明感と奥行き。究極に削ぎ落として白を際立たせた作品でも相当な手数、繊細な技術が画面越しでも伝わりました。実物が見たいと思う作品です。

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