砂糖

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作品

CV

最終学歴:東北大学大学院環境科学研究科修了
出展歴、受賞歴ともになし。

ステートメント・PR

おそらく初見で2つの画像を見ると、ふざけているのかとか、5500円をドブに捨てる酔狂な人間がいるのかとか、悪感情を抱いたかもしれない。ふざけてはいるかもしれないが、何の意味もなく5500円をかけたわけではない。
かつて卑猥だとか公序良俗に反するだとかの理由で、当局から修正や掲載不可を命じられた作品は少なくない。別に絵画表現に限ったことではないが、市民の上に存在する理不尽で巨大な公権力によって、自由な表現が阻害されていたということである。しかし、現代においては必ずしもこのような形で自由な表現が阻害されるわけではないのではないかと考えている。
例えば、ほんの数年前には、バルテュスの「夢見るテレーズ」の撤去を求めるインターネット上の署名が、実に1万人分集まった。また、多くのSNSにおいて、エログロ表現はそのプラットフォームを提供している企業が、AIを活用して独自の基準で掲載可否を判断していることはすでに一般にも理解が及んでいるであろう。見るに堪えない表現があることは否定しないが、そのような表現を人々の視界から完全に消去する力を、かつてのような理不尽で巨大な公権力以外も持っているのは確かであろうと思う。
どういう判断基準で削除・非表示となったのか(タイトルなのか、画面なのか、どこまでがOKでどこからがNGなのか)、世界的なプラットフォームを提供している単なる一企業がコンテンツの掲載可否を判断する危うさ、16:9の画面にチープな削除・非表示通知が表示された虚しさ、削除・非表示の状態から掲載可否の議論がスタートした場合にどうなるのか。これからの時代に自分たちの自由な表現を阻害する者は自分たちの上に立つ存在ではなく、Googleであり、隣人であるかもしれない。
私のふざけた2つの画像から、様々な想像を巡らせていただきたい。ここまでのことにはならないだろう、と笑う者もいるだろう。その答え合わせは、数十年か後のことである。

実行委員コメント

挑戦的なエントリーですね。この二つの画像から表現の自由や規制、ポリコレやキャンセルカルチャーまでも言及させようとするアイデア。饒舌なステイトメントからも「ドヤコレ」感が伝わってきます。「砂糖」というクリエイター名、インスタグラムに掲載されている作品は全く違うペン画(しかも1日1枚か2枚とある)であることからも、その捉えどころのなさも含めてこのフェア参加を楽しいでおられるように思ったのですが。いかがでしょうか。

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