作品



2017.3 京都精華大学芸術学部造形学科日本画コース 卒業
2019.6 京都 / Gallery吉象堂 第26回銅駝美工卒業生有志展
2019.7 大阪 / 大阪市立美術館 第65回全関西美術展 入選
2020.6 東京 / 上野の森美術館 第38回上野の森美術館大賞展 入選
京都 / 京都文化博物館 同上
2020.9 兵庫 / サントアン(洋菓子店) ファーマーズマーケットサンマルシェ出品
2020.11 同上 同上
2021.6 京都 / Gallery吉象堂 第27回銅駝美工卒業生有志展
2022.2-3 京都 / Pot Hole GALLERY
ギャラリーカフェ道の途中 個展「誰も知らない」2会場同時開催
2022.4 京都 / Pot Hole GALLERY 「童話のかたち展~小川未明生誕140年記念によせて~」
コロナ禍の今、周りのことをどれほど知れているのでしょうか。リモートで飲み会、マスク装着がマナー、アクリル板で区切られる生活が日常となりました。
マスクの下にある相手の素顔は本当に貴方の思う通りでしょうか。暴力を受けて口から血を流しているかもしれません。隠れていてわからないことは、わからないように隠している可能性もあります。見えていないだけで気づけていないこと、思い込みの怖さは身体的なことに限らず精神的な部分でも十分あり得ます。自分以外の人の存在をどのように認識し、目に見えないものは信じることはできませんか。
また、私は死を身近に感じる今の世の中だからこそ、生を強く意識するようになりました。知らないところで多くの命が生まれ共生している揺るぎない事実があります。実際にはその事実だけで実存としてはとても曖昧なものですが、コロナ禍で疲弊する今の私たちにとって必要な、生命の強さや機械的ではない人間の生きる力がそこにはあるはずです。
これらのコロナ禍における現実性を交えた超写実ではない人間のリアルを現在のテーマとして、平面作品における新たな人物表現の模索を主に制作を行っています。
素材・技法としては、コロナ禍をきっかけにアクリル板を支持体としてアクリル絵の具で着彩しています。ガラス絵と同様、アクリル板の片面にアクリル絵の具で着彩し、透けて見える裏面を表面として鑑賞するため、実際の描写を鑑賞者は観ることができません。手の触れられないところに筆致があるという状態は˝アクリル板の向こう側˝という意味では今回のテーマに重なる点があります。
まだまだ発展途上の身であり自分に何ができるのかわからないことばかりですが、˝人物表現の模索˝を通して表現するという軸は変えずにこれからも作品制作に努めていきたいです。
アクリル板を通して見る世界。タイムリーなものを作品に落とし込んでいて面白いです。描くモチーフが子供や赤ちゃんなのは、死を意識せざる得ない状況において、「これからを生きていく命」の象徴として生をより色濃く表現するために選んでいるのでしょうか?実際の描写が見れない構造なのも「尊さ」を感じられます。