作品



2016年 三重大学教育学部美術教育学科卒業
在学中は彫刻専攻。
卒業制作では、石膏とスタッフを混ぜたマテリアルを使い、立体を用いたインスタレーション作品を発表。
2017年 第6回MAE展(Mie Art Education 展)出展
2018年 第7回MAE展出展
2019年 第8回MAE展出展
2019年12月 森田夏鈴個展 〜慕情を抱く〜
2020年日本文藝アートコンペティション 奨励賞受賞
「現代人の生への渇望」をテーマに表現しています。アクリル絵具に透明水彩、墨などのミクストメディアを用いて、平面作品を中心に、粘土での彫刻制作も行っています。
作品のモチーフは主に動植物としており、日本のアミニズムの精神をもとに、現代社会で生きる人々の心情について考察しています。現代人の動植物を愛でる心情
日本人が古くから動植物などを神格化して、永遠の命や子孫繁栄を祈願したように、現代人の動植物を愛で、ペットや観賞用として手元に置く行為は、「いつまでも若々しく美しく生きていたい」「この魅力を自分のものにしたい」という欲求をそれらに投影しているように思います。
発展した現代社会の中で、人々は自然の中に癒しを求めます。この姿こそ「生への渇望」と考えられるのではないでしょうか。
様々な素材や技法を試行錯誤しながら、表現を追求していきたいです。
作品のモチーフには動植物が多く、特に「蛇」をモチーフにすることが多いです。蛇は日本において、縄文時代から人々に崇められてきており、脱皮をすることから永遠の命、子孫繁栄の象徴として神格化されてきました。また、その独特な生態と形状から、国外では神格化されるだけでなく、人間を誘惑する悪魔になることもあり、国や宗教、あるいは個人単位においても、様々な立ち位置に立たされ、人々から特別視されてきた生き物です。古代の人々が、人類の繁栄への願いや、「悪」とされる醜い感情などを蛇に投影してきたように、蛇や様々な動植物を通して、現代人のアミニズムの精神や欲望などを表現していきたいと考えています。
「snake girl」シリーズは、SNSで普及する「かわいい」の概念に呪われてしまった女の子を、美しいことを妬まれて、髪の毛を蛇に変えられてしまったギリシャ神話の怪物メデューサになぞらえて描きました。
個性が求められる現代社会では、美しさにおいても個性を求める風潮がありますが、SNSの影響により、個性を求めているのに、結局は画一的なファッションや美の基準が、現代人の意識に刷り込まれているように感じます。個性を求めた結果、画一的な美しさ、かわいさに呪われてしまった現代を生きる女の子を描きました。
一見普通の女子イラストだと思ってよく見たら髪が蛇。ギョッとしました。「かわいい」の概念に呪われてしまった女の子を、メデューサに例えて描いたと言うコメント。僕は自然な蛇のヘアよりも、どうして口を描かないんだろうということがとても気になりました。インスタグラムを見たらさらに蛇にフォーカスした作品写真が並び、そこにこの「スネークガール」がないのも気になりました。