寺田順三 賞
笹貫淳子
谷口純弘
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作品



1968年 東京生まれ
1993年 武蔵野美術大学大学院美術専攻油絵コース 修了
現在 東京を中心に制作発表活動中。絵を描く合間に家事や子育てをしています。
ここ数年は実際には会ったこともない、実在の老婦人とその人の家をテーマに、シリーズで絵を描いています。
きっかけは義理の妹からの、ある日の何気ない一通のメールでした。
その妹のルイーズは、2020年の秋、パートナーとロンドン郊外に新居を探していました。ある日訪れた古びた家は家中の壁が青く塗られていたので、2人はその家をブルーハウスと呼び、以降、その家の購入を決めた経緯や、2人で内装を手掛ける様子など、折りに触れ進捗状況をメールで知らせてくれます。新居を手に入れ、改装を手掛ける彼女のプロジェクトと、それに着想を得て制作する私のプロジェクトを掛け合わせ “Blue House Project “ と名づけました。今もそれぞれで進行中です。
https://www.kogisokyoko.com/blue-house-project
色も筆致も絵もどれをとってもキュンと突き刺さります。The blue projectで繰り広げられる妹さんとの往復書簡を読みながら作品を味わうというインタラクティブな体験がさらに没入感をもたらします。また、小木曽さんの描く人物像は、どこかエリザベス・ペイトンを彷彿させ、これまたどっぷり小木曽ワールドに入り込みます。刺さりますー、全体的に。
「感性」とか「センス」とかそういう言葉ってよく使いますけど、小木曽さんの絵を見るとそんな言葉がすぐに連想しました。ハウンドツース(千鳥格子)とか小紋柄、古い椅子のモチーフをこれほど大胆に使って、F100号のサイズを描いちゃうっていうセンスは、ファッションやトラディショナルな素養がないと無理だと思うのです。そして、それに共感できる人に向けて強かに発信できている絵画って、個人の身勝手な感性だけを頼りにしている絵画よりも遥かに説得力がある気がするのです。「絵は人柄」ってことですかね。ステキです。
■ メタセコイア展示おめでとうございます。義理の妹、ルイーズさんが手に入れたロンドン郊外の古屋敷をめぐる一連のストーリーが、詩情豊かに描かれたシリーズが。大人の感性に訴える素晴らしい作品に結実しています。寺田順三さん審査員賞。笹貫淳子レコメンド、谷口純弘レコメンド。小木曽さんの作品がアートな傘としてデザインされるのが今から楽しみです。
■ メタセコイア展示にて作品説明を聞いた時、まるで一本の映画を見た後の様な気持ちになり、バックヤードのストーリーに目が潤みました。作品はなんとも言えないマット感、確かにそこにあったであろう過去の時を閉じ込めた様な少し切ない空気感。小木曽さんにしか出せない世界が素晴らしかったです。
今回、エントリー作品を見て行くとき、最初は文章やプロフィールを読まずに作品だけを見ていきました。で、1番印象に残ったのが小曽根さんの作品です。その後、プロフィールを読ませてもらい、ますます興味がわきました。ぜひ原画をみてみたいです。