川口智士
作品



依田拓海 Yoda Takumi
戸塚有輝 Totsuka Yuki
橋詰宗次郎 Hashizume Sojiro
渡邉慧大 Watanabe Eita
2019 九州大学芸術工学部芸術情報設計学科 入学
2022 九州大学芸術工学部芸術情報設計学科 在籍中
インスタレーション作品《Re:Birth(読み:リバース)》
コンセプト:「再誕生」
現代社会において多くの人間は、多様性を守るべきだという社会と第三者の目に流され、アイデンティティが不安定になりつつあります。本展示ではそのような抑圧からの解放、および自分らしさを取り戻す"再誕生"のきっかけを与えます。
展示概要:
本展示は鑑賞を通して自分の在り方を見つめ直すことで、展示空間を出る際に新しい自分として"再誕生"するという意図が込められたインスタレーション作品となっています。
鑑賞者は入場して第一に映像を視聴します。この30秒ほどの映像は「自分が何者であるのか」という問いを鑑賞者に投げかけます。鑑賞者はその問いを抱えつつ、心の内に反芻しながら次の展示に足を運びます。この十畳程の展示室は、母の胎内をモチーフとしています。靴を脱ぎ境界の幕をくぐると展示室内にはシーチング、サテン、不織布など数種類の白布が折り重なったベールが天井から幾重にも下がり、その隙間を縫うように白い糸が垂らされています。室内は3台のプロジェクターを照明として使用し、胎内の揺らぎをイメージした映像が常に流れています。展示室中央は赤紐が太い管を作るかのように束ねられ、数多の布に包まれながら床と天井を繋いでいます。床の紐束から天井に向かって真っすぐ光が差しこむ仕組みとなっているため、赤紐に反射した光により空間は柔らかく赤みがかり、鑑賞者を引き込みます。外光は完全に閉ざされ、室内には心音のみが響いています。緩やかな時間が流れる、この社会から隔絶された世界で鑑賞者はいつしか自然にリラックスし、普段は目を向けない内なる自己に目を向け始めます。
展示後のアンケートでは、本作品の鑑賞が自身を見つめ直す契機になったという回答を半数以上いただきました。「鑑賞中に視覚、聴覚、触覚を通して刺激が伝わることにより、まるで体が浮遊するような感覚があった。」「小さくなって心臓に近づいているかのような感じがした。」等の感想や、「導入の映像により自分に意識が向いた。」「サウナのようなリラクゼーションがあり、安心感があった。」等の声をいただきました。
九州大学芸術工学部のメンバーによるインスタレーション。心音に包まれたスペースに鑑賞者(体験者?)が入室し、何枚ものベールをくぐりながら自らの「命」を再認識すると言うもの。人生も終盤になって達観するようなテーマを学生チームがよく考えたなーと思いながら、これこそ一部屋丸々スペースを使って運営してもらわないと体感できないものだから、メタセコイアでやるには。。。と参加選考の時点でずいぶん議論になりました。川口智士審査員レコメンド。「若いのか老けてるのか分からんかんじで、その着想がどこからきたのか聞いてみたい」まさに。
紹介映像を見て単純に入ってみたいなって思った。大学生たちが「生まれなおす」をテーマに空間を作ったっていうのは、若いのか老けてるのか分からんかんじで、その着想がどこからきたのか聞いてみたい。 ----以下、すべてのコメント共通---- 5つの基準で選びました。・狂気を感じるか ・ユーモアを感じるか ・既視感が “ない“ か ・現物 / 制作過程をみたいと思ったか ・作者が若いか