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作品



1992年 広島県広島市生まれ
2015年 四年制大学 経済学部 卒業
【出展歴(予定含む)】
2021年11月 デザインフェスタvol.54(東京ビッグサイト)
2022年5月 SICF23(スパイラル)
2022年6月 Dimension 2022(GALLERY AND LINKS 81)
「鹿のツノ」を間近で見たことはあるだろうか。
雄鹿が持つシンボルであり、唯一の武器である。
大きさや形に同じものはなく、そのツノについた傷が生き様を物語る。
雄鹿は一年に一回、ツノが生え変わる。
常に「再生」を繰り返しているのだ。
私はそのツノの持つ生命力、神秘さ、雄々しさに魅了された一人だ。
かつては、「神鹿(しんろく)」や「白鹿(はくろく)」と呼ばれ、神の使いとして扱われていた鹿。
その歴史は古く、古事記にも登場するほどだ。
今も神の使いとして奈良や宮島では数多くの鹿が保護されている。
一方、他の地域では害獣として扱われ、駆除対象になっている。
農作物を荒らしたり、樹木の皮を食べて枯らしたりするからだ。
「神の使い」か「害獣」か。
同じ鹿なのに、こんなにも境遇が違うことを憂い、その死を無駄にせず、「アート」に生まれ変わらせたいと私は思った。
アートに昇華することで、また神の使いのように崇められ、大切にしてもらえるのではないかと考えたからだ。
そして、それが害獣として死んだ鹿の供養になればと思っている。
【NEWBONE】BONE ARTIST
「新しく生みだす(新生)=newborn」と「骨=bone」を組み合わせた造語である。
2021年8月コロナに感染し、「死」を初めて意識した時、何か形に残るもの(形見)を作りたいと思い、アートを制作することを決意する。
鹿のツノは猟師から直接仕入れており、減少する猟師への(金銭的)支援、廃棄される部分のアップサイクルをするとともに、作品を知ってもらうことで害獣駆除の重要性の認知にもつながる。
作品【供花】
害獣として死んだ鹿に、カラフルな花(ドライフラワー)を手向けて供養をイメージした作品です。半分は、かつて神が乗っていたとされる「白鹿」をイメージして白くペイントを施しています。また、半分は本来の姿を残すことで、「生」と「死」、「害獣」と「神の使い」の差を表現しています。
作品【流れ】
人は様々な「流れ」の中で生きている。空気の流れ、人の流れ、物事の流れ、時間の流れ、感情の流れ… 。また、人は様々なものに影響されて生きている。そうしてアイデンティティが生み出される。「流れ」を表現した流動的なマーブル模様とそれを何層にも重ねて「影響されたもの」を表現した作品です。観る角度によって印象が変わることで、鑑賞者の気持ちや感想も流動的なものになります。
メタセコイアのポートフォリオレビューにお越しくださりありがとうございました。「害獣として死んでいった鹿をアートに昇華し、供養してあげたい」という思いも伝わりますが、それにしても、この鹿の骨の存在感が強力ですね。どんなペイントを施しても負けないフォルム。NEWBONEというアーティスト名のとおり、鹿の骨に新しい価値を見出してほしいです。